発泡スチロールを使った鋳造法

化学生命工学部 化学・物質工学科 丸山徹 教授
消失模型鋳造法の研究を紹介します。

この鋳造法では、製品形状に模った発泡模型を鋳物砂に埋没させ、そこに溶湯を注ぎ込むことで、発泡模型(※1)と溶湯(※2)が置換され鋳物(いもの)が造られます。鋳物砂を固める必要がないため、鉱物資源である砂のリユース率が極めて高く、空洞鋳型鋳造法(※3)とは異なり鋳型の抜け勾配を不要にできるため鋳造品の軽量化にもつながります。

他の鋳造法と比較して粉塵発生量が少ないことも特徴で作業環境にも優れています。
しかし、鋳造中の「発泡模型の熱分解」と「湯流れ挙動」については未解明な点があり、この鋳造法による鋳物生産量は少ないのが現状です。本研究では鋳造中に起きている現象を研究しています。

※1 発泡模型:発泡ポリスチレン(スチロール)や発泡ポリメタクリル酸メチル(PMMA)で造られた発泡ポリマー
※2 溶湯(ようとう):溶けた金属を意味する鋳造用語
※3 空洞鋳型鋳造法:製品形状の空洞を有した鋳型(いがた)に溶湯を流し込み鋳物を得る鋳造法。鋳型には鋳物砂と粘結剤(接着剤)を混ぜて硬化させる砂型や金属製の金型など、いくつかの種類がある。

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金属/鋳鉄/鋳造/ポリマー/発泡

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丸山徹

マルヤマトオル

化学生命工学部 化学・物質工学科 教授

鉄リサイクルの研究で修士の学位、金属凝固組織の研究で博士の学位を取得。そ の異なる経験をもって鋳造の研究に着手、現在に至る。札幌(出身)、室蘭、北 広島(北海道)、吹田、シカゴで在住経験あり。

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